○芳賀地区広域行政事務組合危険物流出等の事故原因調査規程

平成23年2月1日

訓令第1号

(趣旨)

第1条 この規程は、消防法(昭和23年法律第186号。以下「法」という。)第16条の3の2の規定に基づき実施する、製造所、貯蔵所又は取扱所(以下「危険物施設」という。)において発生した危険物の流出その他の事故であって火災が発生するおそれのあったもの(以下「危険物流出等の事故」という。)の原因調査(以下「調査」という。)について必要な事項を定めるものとする。

(調査の目的)

第2条 調査は、危険物流出等の事故の原因を明らかにするとともに、その調査結果を日常の指導及び立入検査に反映させることにより、類似事故の再発を防止し、もって火災予防の充実を図ることを目的とする。

(用語の定義)

第3条 この規程において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 危険物流出等の事故とは、法第16条の3の2第1項に規定する事故をいう。

(2) 危険物施設とは、指定数量以上の危険物を貯蔵又は取扱う製造所、貯蔵所又は取扱所をいう。

(3) 調査とは、法第16条の3の2第1項の規定により行う調査をいう。

(4) 調査員とは、危険物流出等の事故の調査を命ぜられた消防職員をいう。

(5) 事故関係箇所とは、危険物流出等の事故を起こした危険物施設、又はその他事故の発生と密接な関係を有すると認められる場所をいう。

(6) 事故関係者とは、事故に直接関与した者、施設関係者、事故の目撃者その他の危険物流出等の事故に関係する者をいう。

(調査の区分)

第4条 調査は、次の各号の区分により実施するものとする。

(1) 基本的事項について行う事故調査 危険物施設において発生した火災以外の事故で、次号及び第3号に該当しない危険物流出等の事故の調査

(2) 詳細事故調査 次に定める危険物流出等の事故の調査

 危険物の流出が認められる事故で、次のいずれかに該当するもの

(ア) 危険物施設(製造所及び一般取扱所を除く。)から危険物が10キロリットル以上流出した事故

(イ) 製造所又は一般取扱所から危険物が指定数量の10倍以上流出した事故

(ウ) 地下に埋設されたタンク又は配管から危険物が指定数量以上又は敷地外に流出した事故

(エ) 危険物の流出に起因し、死者が発生した事故

 危険物の流出の有無に関係なく次の設備等が破損、変形等した事故

容量500キロリットル以上の屋外タンク貯蔵所の基礎・地盤、タンク本体(屋根、浮き屋根又はインナーフロートタンクの浮き蓋を含む。)が破損、変形、沈下、傾斜などの異常な状態となった事故

 その他、組合長が類似事故の防止又は予防対策の必要性等の観点から、詳細な事故原因調査を行うことが必要と認めた事故

 流出量等が特定される前の段階で概ねと同等以上の規模と推測される事故

(3) 消防庁長官調査 危険物流出等の事故の調査マニュアルについて(平成20年8月12日付け消防危第317号消防庁危険物保安室長通知。以下「事故調査マニュアル」という。)に規定する消防庁長官調査が望ましい事故の調査

(調査の責任)

第5条 組合長は、管轄区域内で発生した危険物流出等の事故の調査の責任を有する。

(体制の確立)

第6条 組合長は、調査に必要な人員並びに調査用機器を整備し、調査体制を確立しておかなければならない。

2 組合長は、危険物流出等の事故の原因究明のため特に必要があると認められるときは、調査本部又は事故調査委員会を設置することができる。

3 前項の事故調査委員会の編成については、必要に応じて学識経験者、関係行政機関の職員等で構成するものとする。

(調査の実施)

第7条 組合長は、管轄区域内で危険物流出等の事故を覚知したときは、直ちに調査に着手しなければならない。

2 組合長は、調査員を指定して調査に従事させるものとする。

3 組合長は、必要があるときは前項の調査員以外の職員を調査に従事させることができる。

(調査員の心得)

第8条 調査員は、常に関係法令等調査に必要な知識の習得及び調査技術の向上に努めるとともに、次の事項を遵守しなければならない。

(1) 調査員は、調査の相互の連絡を図り、調査業務の進行が円滑になるように努めること。

(2) 調査員は、調査に際し事故関係者の民事的紛争に関与しないように努めるとともに、個人の自由・権利を不当に侵害したり、調査上知り得た秘密をみだりに他に漏らしてはならない。

(3) 調査員は、事故関係箇所へ立ち入るときは、立入検査証を携帯するとともに、原則として事故関係者の立会いを得ること。

(4) 調査員は、警察機関その他の関係機関と密接な連絡を取り、相互に協力して調査を進めること。

(調査の原則)

第9条 調査は、事実の確認を主眼とし、先入観にとらわれることなく科学的な方法による確認と合理的な判断の上に立ち事実の立証に努めること。

(実況見分)

第10条 調査員は、危険物流出等の事故現場を見聞し、事故原因の判定に必要な資料の収集に努めなければならない。この場合、原則として事故関係者の立会いのもとに行う。

2 事故状況の見聞は、その内容を明確にするため、写真及び図面により記録するよう努めなければならない。

(質問)

第11条 調査員は、事故関係者に質問し、原因の判定の資料となる事実の把握に努めなければならない。

2 前項により知り得た事実のうち、事故原因の判定に必要と認められる内容については、質問調書にその内容を記録しなければならない。この場合、記録した内容を当該事故関係者に読み聞かせるなどし、記載事項に誤りがないことを確認し、質問調書に署名又は押印を求めるものとする。ただし、署名を拒否された場合は、その理由を明記すること。

(照会)

第12条 組合長は、必要があるときは関係機関に対し、必要な事項の通報を求め、又は照会することができる。

(資料の収集・保管)

第13条 組合長は、調査のために必要と認めるときは、関係のある者から任意提出書(様式第1号)により資料の任意提出又は報告を求めることができる。

2 組合長が特に必要と認める場合は、事故関係者に対し、資料提出命令書により資料の提出を命ずることができる。

3 組合長は、前項の資料の提出があった場合、提出者が所有権を放棄しない場合は、提出者に対し資料保管書を交付し、調査完了後、資料の返還をする際に資料保管書に受領した旨を記入させるものとする。又、当該資料を保管する場合は、保管票を付し、証拠物件、資料保管台帳に記録し、調査が完了するまで保管しなければならない。

4 第2項の資料提出命令書及び前項の資料保管書、保管票、証拠物件、資料保管台帳の様式については、芳賀地区広域行政事務組合危険物の規制に関する施行規則に基づく様式による。

(鑑定)

第14条 危険物流出等の事故の調査に必要があるときは、鑑定依頼書(様式第2号)により公的機関等に鑑定を依頼することができる。

(調査記録)

第15条 調査員は、調査結果を危険物流出等の事故調査報告書により消防長に報告しなければならない。この場合、次の書類を添付するものとする。

(1) 危険物流出等の事故調査報告書(様式第3号)

(2) 現場付近案内図

(3) 実況見分調書(様式第4号)

(4) 質問調書(様式第5号)

(5) 事故原因判定書(様式第6号)

(6) 事故現場写真及び復元図

(7) その他事故原因の判定、損害額の認定の根拠となった資料

(原因の判定)

第16条 危険物流出等の事故原因の判定は、事故の実況見分、質問、その他の関係資料等を総合的に検討し、判定するものとする。

(事故調査マニュアルの活用)

第17条 危険物流出等の事故の調査にあたり、事故調査マニュアルを活用することができる。

(危険物保安技術協会の活用)

第18条 危険物流出等の事故の調査にあたり、特に、容量500キロリットル以上の屋外タンク貯蔵所に関係する事故にあっては、危険物保安技術協会に協力を依頼することができる。

(警察への通報)

第19条 組合長は、危険物流出等の事故について犯罪の疑いがあると認められるときは、直ちにこれを当該事故の発生地を管轄する警察署に通報するものとする。

(書類の保存)

第20条 調査書は、芳賀地区広域行政事務組合文書取扱規程に基づき、保存するものとする。

(委任)

第21条 この規程に定めるもののほか、必要な事項は、消防長が別に定める。

この訓令は、平成23年2月1日から施行する。

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芳賀地区広域行政事務組合危険物流出等の事故原因調査規程

平成23年2月1日 訓令第1号

(平成23年2月1日施行)