○芳賀地区広域行政事務組合火災予防違反処理規程事務処理要綱
平成27年3月24日
訓令第3号
芳賀地区広域行政事務組合火災予防違反処理規程事務処理要綱(昭和56年訓令第4号)の全部を改正する。
(趣旨)
第1条 この訓令は、芳賀地区広域行政事務組合火災予防違反処理規程(平成27年訓令第2号。以下「規程」という。)第37条に基づき、規程の執行について必要な事項を定める。
(1) 立入検査結果通知書により指定した期限までに不備・欠陥事項改修(計画)報告書(以下「改修報告書」という。)の提出がなく、具体的な意思表示が認められない場合又は改修報告書が提出された場合で、改修報告書に示す改修計画日までに具体的な是正行動が認められない場合
(2) 改修報告書の提出後に措置することが適当でない場合
(3) 同一の防火対象物及び製造所等(以下「防火対象物等」という。)における同種の違反の繰り返しがあった場合
(4) 消防用設備等の是正に一定期間を要するもので、改修報告書に示す期限を過ぎても工事の着手がない場合
(違反調査報告書の作成上の留意事項)
第3条 規程第7条第3項に定める違反調査報告書の作成は、次のとおりとする。
(1) 違反事実欄は、違反事実について明確に記載するとともに、当該違反の確認方法についても記載すること。
(2) 参考事項欄は、違反処理を行う上で参考となる事項を記載し、当該事項に係る関係資料がある場合は、これを添付すること。
(3) 違反調査報告書には、当該違反事実を明らかにするため必要に応じ図面又は写真台紙(規程様式第1号)に整理した現場写真を添付すること。また、立入検査結果通知書(以下「通知書」という。)を交付している場合は、その写しを添付すること。
(写真資料作成上の留意事項)
第4条 規程第7条第3項に定める違反調査報告書に添付する写真資料の作成は、次のとおりとする。
(1) 違反事実を特定するための写真資料は、必ず作成すること。
(2) 写真は違反状態が客観的に明らかになるように撮影し、一の違反場所について違反の状態が具体的に判別できる写真と全体の中で当該違反場所の位置が判別できる写真とを撮影し、周囲と全体との関係を明らかにすること。
(3) 違反の場所が1回の撮影で写らない場合は、2枚以上の写真を貼り合せる等配慮すること。
(4) 撮影者名、撮影位置、方向、撮影日時等を記録すること。
(5) 防火対象物等の寸法を表示する必要がある場合は、メジャー等を用いて写しこむこと。
(6) 撮影を拒否された場合は強行せず実況見分調書及び質問調書によって補完すること。
(実況見分調書作成上の留意事項)
第5条 規程第8条に定める実況見分調書の作成は、次のとおりとする。
(1) 実況見分調書は、違反現場に出向し見分を行った者が作成すること。
(2) 見分により確認した状況と違反法令とのかかわりを十分に把握し、違反に関連する情報は詳しく、その他の情報は必要な部分を記載すること。
(3) 見分者は事実をありのままに記載し、意見や憶測は記載せず、主観の入っている修飾語(かなり、比較的、大変等)を使用しないようにすること。
(4) 見分を実施していく中で立会人に説明を求めた場合、その説明が物の位置、形状等を客観的に述べるものであれば調書に記載すること。
(5) 実況見分の信ぴょう性を確保するため、違反が認められる行為を行った者又は関係者(以下「関係者等」という。)の立会い状況を写真撮影しておくこと。
(質問調書作成上の留意事項)
第6条 規程第9条に定める質問調書の作成は、次のとおりとする。
(1) 質問調書の録取は、原則として立入検査場所において行うこと。なお、関係者等を署所等に招致して録取する場合は、質問調書を録取した場所を明記しておくこと。
(2) 質問調書を作成する権原は、通常、調査を命じられた消防職員にあるものであること。
(3) 質問調書は、違反者を特定し、違反事実、情状又は違反対象物の業務内容等を明らかにするため、その裏付けとして作成するものであること。
(4) 任意性を高めるため、否定した事実も記載すること。
(5) 不十分な答弁又は矛盾する答弁には、補完質問をして事実関係の特定に努めること。
2 質問調書を作成する場合は、あらかじめ、次の質問すべき事項を用意し、質問に対応する必要な供述のみを整理して録取すること。
(1) 違反者に対するもの
ア 被質問者の地位、職務内容、経歴等
イ 違反の構成要件事実
(例) 法第10条第1項違反の場合 行為者、日時、場所、指定数量以上の危険物を貯蔵又は取り扱った事実法第17条の4命令違反の場合 法第17条第1項違反の事実、命令権者から命令を受けた事実、命令の内容、命令不履行の事実 |
ウ 違反に至った経過
エ 違反事実の認識
オ 違反に伴う危険性の認識
カ 違反を是正しない理由
キ 違反を行ったことについての反省
ク その他必要と認める事項
(2) 法人の関係者に対するもの
ア 業務内容等
イ 関係者の地位及び職務内容
ウ 業務内容と違反との関係
エ 違反と監督責任
オ その他必要と認める事項
(3) 第三者に対するもの
ア 違反者との関係
イ 違反の状況
ウ 危険性の認識
エ その他必要と認める事項
3 録取した供述の内容は、被質問者に読み聞かせ又は閲覧させることによって、その内容に誤りのないことを確認させ、次の例により、末尾に被質問者の署名又は押(指)印を求めておくこと。
(例) 被質問者 氏名(印) 上記のとおり録取して読み聞かせ(閲覧させ)たところ、誤りのないことを申し立て、各葉の欄外に押印した上、末尾に署名(押(指)印)した。 年 月 日 所属 階級 氏名(印) |
4 被質問者が任意に供述したのち、署名押印を拒否した場合は、その旨を次の例により調書に記載しておくこと。
(例) 上記のとおり録取して読み聞かせ(閲覧させ)たところ、誤りのないことを申し立てたが署名押印を拒否した。
(1) 警告等の履行義務者を確認し、履行義務のない者を名宛人とすることのないよう留意し、履行義務者を十分検討したうえで名宛人を特定すること。また、警告等をしようとする内容に関して履行義務者が複数のときは、それぞれの義務者あてに個別に警告等を行うこと。
(2) 違反事実及び措置の内容は、次の事項を確認し、法令の適用を誤らないこと。
ア 違反防火対象物等の新築又は増改築等の建築年月日
イ 違反防火対象物等の用途、構造、規模又は収容人員等
ウ 特別法、遡及規定又は緩和規定等の有無及び関係法令との関連の有無
エ 法定の危険物等に該当するか否か、及び種別、品名、数量、倍数の該当区分等
オ 警告等の内容は、法令に基づく可能な範囲を逸脱しないこと。
カ 命令の要件は、法の各命令規定に示されている要件に該当し、かつ、運用上、命令の前段的措置である警告事項を理由なく履行しないとき又は通知書若しくは警告書の交付の有無にかかわらず、違反事実の性質又は火災危険等の存在から直ちに命令による措置を必要と認めるときとする。
キ 火災が発生した場合の危険性や悪質性の高いものは、改善させ、特に人命危険の高い防火対象物等には、使用停止命令を含めた厳格な措置を行い、命令、公示を行うこと。
2 警告等の履行期限は、個々の違反事項について通常(社会通念上)是正可能と認められる客観的所要日数と公益上(火災予防上)の必要性との衡量において妥当と認められるものでなくてはならない。
3 警告等には、その内容にかかわる消防法令又は関係法令の適用法条を記載すること。
(緊急時の命令の留意事項)
第8条 規程第16条に定める命令を行う場合の留意事項は、次のとおりとする。
(1) 消防長又は消防署長(以下「消防長等」という。)以外の消防吏員が口頭により命令を行う場合は、当該関係者等に対し、消防長等の命により命令を行う旨及び命令の根拠法令を告げるとともに、命令事項(履行期限を含む。)を具体的かつ明確に命ずること。
(2) 前号により命令を行った場合は、すみやかに消防長等に必要事項を報告すること。
(公示に係る留意事項)
第9条 規程第17条に定める公示に係る標識の設置は次のとおりとする。
(1) 防火対象物等又は防火対象物等の敷地内で、道路等の外部から見やすい位置に設置すること。
(2) 設置した状況を写真撮影すること。
(3) 設置した後は、標識が破棄又は汚損、隠ぺいされないよう適宜確認すること。また、標識が破棄された場合等は再度設置すること。
(4) 標識の設置を拒み若しくは妨げられた場合又は設置された標識を損壊された場合は、当該行為者の氏名及び当該行為の行われた日時など違反内容、指導経過等を記録すること。
(5) 設置した後に違反が是正された場合は、すみやかに標識を撤去すること。
(許可の取消しの要件)
第11条 規程第21条に定めるもののほか、許可の取消しの要件は次のとおりとする。
(1) 許可を受けないで危険物施設の位置、構造及び設備を変更したとき。
(2) 完成検査の前に、危険物施設を使用したとき。
(3) 危険物施設の位置、構造及び設備に係る措置命令に違反したとき。
(4) 保安検査に関する規定に違反したとき。
(5) 定期点検に関する規定に違反したとき。
(許可の取消しに係る留意事項)
第12条 規程第21条に定める許可の取消しを行う場合の留意事項は、次のとおりとする。
(1) 名宛人は、当該許可の取消しに係る施設の処分について権原のある関係者等とすること。
(2) 規程第14条による聴聞の開催が適切に行われたかどうかの検討、及び聴聞を開催してもなお認定の取消しを必要とするのかを検討すること。
(3) 許可の取消しの要件となる違反事実は、次の事項を確認し、法令の適用を誤らないようにすること。
ア 製造所等の設置許可年月日及び許可番号等
イ 命令違反に係る許可の取消しの場合は、当該命令が許可の取消しの要件に該当するか等
(告発書作成上の留意事項)
第13条 規程第23条に定める告発を行う場合の留意事項は、次のとおりとする。
(1) 告発は、告発事実の構成要件を立証するために必要な証拠書類及び犯罪の情状等の認定資料を収集整備したうえで行うこと。
(2) 刑事訴訟法(昭和23年法律第131号)第250条に定める公訴時効の期限内に公訴の提起が可能となるように行うこと。
2 規程第24条第2項に定める告発書の作成上の留意事項は、次のとおりとする。
(1) 被告発人の項目は次のとおりとする。
ア 自然人の場合は、戸籍及び住民票の謄(抄)本により確認し、住所、職業、氏名及び生年月日を記載すること。
イ 法人の場合は、本店(本社)、所在地(違反対象物が本店所在地と異なるときは、下段に当該防火対象物等の所在地を併記すること。)、法人の名称及び代表者の職名(例、代表取締役等)及び代表者の氏名を記載すること。
(2) 罪名及び適用法条の項目は次のとおりとする。
ア 罪名は「消防法違反」とすること。罰則のある条例違反については、「火災予防条例違反」とすること。
イ 適用法条は、犯罪事実に関係する消防法、消防法施行令、消防法施行規則、消防庁告示、芳賀地区広域行政事務組合火災予防条例、芳賀地区広域行政事務組合火災予防条例施行規則、建築基準法、建築基準法施行令、国土交通省告示等の全て及びこれに対応する消防法上の罰則規定の条項号を記載すること。なお、両罰規定を適用する場合には、消防法第45条を付記すること。
(3) 法人の業務内容又は自然人の地位、職務内容、経歴等及び自然人の違反行為の日時、場所、違反内容(罰条を構成する事実)を記載すること。
(4) 規程第24条第2項に掲げるもののほか、次に掲げる違反事実の立証資料及び情状資料等のうち、必要な資料について詳細に作成すること。
ア 違反関係資料
(ア) 違反調査報告書(案内図、付近図、状況図、現場写真等を含む。)の写し
(イ) 受領書の写し
(ウ) 関係者等に対する質問調書の写し
(エ) 防火対象物使用開始届出書の写し
(オ) 建築確認申請書の写し
(カ) 建物の登記事項証明書
(キ) 建物の賃貸借契約書の写し
(ク) その他違反事実又は命令の要件となる事実の物証又は書証の写し
イ 情状関係資料
(ア) 指導書、勧告書、指示書の写し及びこれらの受領書の写し
(イ) 弁明書、誓約書、始末書等の写し
(ウ) 改修報告書、工事契約書等の写し
(エ) 陳情書、投書等の写し
(オ) その他情状に関し参考となる物証又は書証の写し
ウ 災害等に関する資料
(ア) 鑑定書の写し
(イ) 火災原因調書の写し
(ウ) 関連する火災事例
(エ) 消防用設備等説明書等
(オ) その他必要と認められる資料一切
エ 身分関係資料
(ア) 被告発人の住民票謄(抄)本、外国人登録原票の謄本
(イ) 法人の登記事項証明書
オ 証拠資料のうち、消防機関において作成した書類の写しは、消防長等の原本証明(記名押印)を付するとともに、写しの作成年月日及び作成者の所属、階級、氏名を記載し押印すること。
(5) 被告発人の社会的責任、違反事実の危険性(火災発生危険、延焼拡大危険、火災が発生した場合における人命危険)及び違反事実の悪質性(違反是正指導を受けながら、改善の意思が欠如している事実)の観点から、被告発人の情状について記載すること。
(6) 違反内容の危険性、悪質性等の情状の観点から、処罰を必要とする理由等を記載すること。
(過料事件の通知の留意事項)
第14条 規程第25条に定める過料事件の通知を行う場合の留意事項は、次のとおりとする。
(1) 通知は、郵送により行うこと。
(2) 法第8条の2の3第5項(法第36条第1項において準用する場合を含む。)の規定による届出を怠った者に係る通知の添付資料は次のとおりとする。
ア 当該防火対象物の管理権原者であることを証明する資料
イ 特例認定を受けたことを証明する資料
ウ 当該防火対象物の管理権原者に変更があったことを証明する資料
エ 過料に処せられるべき者の住所地を証明する資料
(3) 法第17条の2の3第4項の規定による届出を怠った者に係る通知の添付資料は次のとおりとする。
ア 法第17条第3項の認定を受けたことを証明する資料
イ 総務省令で定める軽微な変更を行ったことを証明する資料
(代執行に係る留意事項)
第15条 規程第26条に定める代執行を行う場合の留意事項は、次のとおりとする。
(1) 事前に代執行に伴う作業、警戒及び経費等について具体的な計画を立てること。
(2) 戒告書の履行期限は、警告書又は命令書の履行期限に準じた妥当なものとすること。
(3) 代執行執行責任者は原則として課長級の職員とし、複数の者を指定しておくこと。
(4) 警察官等中立的な立場にある第三者を立会人としておくこと。
(5) 物件を除去する際には、調書を作成すること。この場合、立会人の立会いのもとに行い、各動産の位置、数量を確認し、図面を作成しておくこと。
(略式の代執行に係る留意事項)
第16条 除去作業中に所有者等を確知した場合は、作業を中断し、所有者等に物件の除去等の必要な措置をとらせること。
(1) 違反調査報告書(図面、現場写真等を含む。)
(2) 実況見分調書
(3) 関係者等の質問調書
(4) 警告書、命令書等
(5) 危険物取扱者免状又は消防設備士免状
(6) 消防設備点検資格者免状
(7) 防火対象物点検資格者免状又は防災管理点検資格者免状
(8) 消防用設備等(特殊消防用設備等)点検結果報告書
(9) 防火対象物点検結果報告書
(10) 防災管理点検結果報告書
(11) その他参考となる資料
(交付手続)
第18条 規程第31条による警告書等の交付手続上留意すべき事項は次のとおりとする。
(1) 警告書等を交付するときは、当該関係者等に口頭により違反の内容、危険性、措置内容、その他必要な事項の説明を行うこと。
(2) 警告書等をやむを得ず代理者に交付するときは、当該防火対象物等における上席の役職にあると認められる者又は防火管理者等に交付し、受領書に代理受領した旨を記載させること。
(3) 警告書等の受領者が、受領書に署名、押印することを拒否した場合は、警告書等の控えの余白にその旨を次の例により明記しておくこと。
(例) 年 月 日 は、本警告(命令)書を受領したが、受領書に署名押印することを拒否した。
附則
(施行期日)
1 この訓令は、平成27年4月1日から適用する。
(芳賀地区広域行政事務組合危険物規制違反処理規程事務処理要綱及び火災予防及び危険物違反処理の運用基準の廃止)
2 芳賀地区広域行政事務組合危険物規制違反処理規程事務処理要綱(昭和56年訓令第6号)及び火災予防及び危険物違反処理の運用基準(昭和56年訓令第7号)は廃止する。