○芳賀地区広域行政事務組合火災調査規程
平成16年5月25日
消本訓令第6号
(趣旨)
第1条 この規程は、消防法(昭和23年法律第186号)第7章の規定に基づく火災の調査(以下「調査」という。)について必要な事項を定めるものとする。
(調査の目的)
第2条 本調査は、火災の原因及び火災により受けた損害を明らかにして火災予防対策及び警防対策に必要な基礎資料を得ることを目的とする。
(用語の意義)
第3条 この規程においての用語の意義は、火災報告取扱要領(平成6年4月21日消防災第100号)の規定を準用するものとする。
(調査の区分)
第4条 調査は、火災原因調査及び火災損害調査に区分する。
2 火災原因調査は、次の各号に掲げる事項を究明するために行うものとする。
(1) 出火前の状況
(2) 出火原因
(3) 延焼拡大の状況
(4) 初期消火等の状況
(5) 避難の状況
(6) 消防用設備等の状況
(7) 死傷者の状況
(8) その他必要な事項
3 火災損害調査は、次の各号に掲げる事項を明らかにするために行うものとする。
(1) 焼き損害
(2) 消火損害
(3) 爆発損害
(4) 火災による死傷者
(調査の責任)
第5条 消防長又は消防署長(以下「消防長等」という。)は、管轄区域内の火災調査の責任を有する。
2 通行中の車両、航行中の船舶の火災については、火災防御した場所を管轄する署長又は分署長(以下「消防署長等」という。)とする。ただし、栃木県火災・災害等即報要領、第2即報基準1火災即報に該当する火災調査については、予防課長の責任の下、消防署長等が火災調査を実施するものとする。
(体制の確立)
第6条 消防長等は、調査に必要な人員及び調査用器材を整備し、調査体制を確立しておかなければならない。
2 消防長等は、火災の形態により調査を機動的、かつ、効果的に実施するため、特に必要があると認められるときは、調査本部を設置することができる。
3 前項の調査本部の編成については、必要に応じて設置するものとする。
(調査の充実)
第7条 消防長は、消防司令補以上の階級にある者で総務省消防庁消防大学校等を修了した職員の中から火災調査技術支援アドバイザーとして指名し、火災調査の技術支援に当たらせることができる。
(調査の実施)
第8条 消防長等は、管轄区域内に火災を覚知したときは、直ちに調査に着手しなければならない。
2 消防長等は、調査員を指定して調査に従事させるものとする。
3 消防長等は、必要があるときは前項の調査員以外の職員を調査に従事させることができる。
(調査指揮者)
第9条 消防長等は、調査の進行の万全を期するため、前条の調査員の中から調査の指揮者を定めなければならない。
2 調査の指揮者の責務は次に掲げるとおりである。
(1) 実況見分、写真撮影、図面作成等の各担当者の指定及び組織的な調査の進行に関すること。
(2) 捜査機関その他の関係機関との調整に関すること。
(3) 調査書類の作成に関すること。
(調査員の心得)
第10条 調査員は、火災現象、関係法令等調査に必要な知識の習得及び調査技術の向上に努めるとともに、次の事項を遵守しなければならない。
(1) 調査員は、調査の相互の連絡を図り、調査業務の進行が円滑になるように努めなければならない。
(2) 調査員は、調査に際し関係者の民事的紛争に関与しないように努めるとともに、個人の自由・権利を不当に侵害したり、調査上知り得た秘密をみだりに他に漏らしてはならない。
(3) 調査員は、関係のある場所へ立ち入るときは、原則として関係者の立会いを得なければならない。
(4) 警察機関、その他の関係機関とは密接な連絡を取り、相互に協力して調査を進めなければならない。
(調査の原則)
第11条 調査は、事実の確認を主眼とし、先入観念にとらわれることなく科学的な方法による確認と合理的な判断の上に立ち事実の立証に努めなければならない。
(火災出場時の見分)
第12条 消防隊員及び調査員は、出場途上、現場到着時及び消火活動中における火煙の色、臭い、燃焼音、延焼経路、その他関係者の言動等を見聞したときは、現場指揮者に報告しなければならない。
(実況見分)
第13条 調査員は、火災現場の実況見分に当たっては、原則として関係者の立会いを求め、火災原因の判定に必要な資料の収集に努めなければならない。
3 火災状況の見分は、その内容を明確にするため、写真により記録するようにしなければならない。この場合、記録した写真は写真台紙(様式第3号)により整理し、説明を付することとする。
(現場の保存)
第14条 消防長等は、消火活動が終了したときは所要の措置を講じた上で現場を保存しなければならない。ただし、調査上その必要がないと認めたときは、この限りでない。
(死者が生じている場合の扱い)
第15条 消防長等は、火災現場において死者を発見した場合は、所轄警察署長に通報するとともに、必要な措置を講じなければならない。
(質問)
第16条 調査員は、関係のある者(以下「関係者等」という。)に質問し、原因の判定の資料となる事実の把握に努めなければならない。
(年少者等に対する質問)
第17条 年少者又は精神異常者と認められる者、若しくは聴覚障害者(以下「年少者等」という。)に対して質問をする場合は立会人をおいて行うものとする。
(照会)
第18条 消防長等は、必要があるときは関係機関に対し、火災原因損害調査関係事項照会書(様式第5号)により必要な事項の通報を求め、又は照会することができる。
(資料の収集・保管)
第19条 消防長等は、調査のために必要と認めるときは、関係者から任意提出書(様式第6号)により資料の任意提出を求めることができる。
2 特に必要である場合は、り災物件の関係者に対し、資料提出命令書(様式第7号)により資料の提出を命ずることができる。
4 資料提出者が、資料の返還を求めるときは、保管物還付請書(様式第11号)により申請し、資料保管書と引換えに、返還しなければならない。
(鑑定)
第20条 消防長等は、火災原因調査に必要があるときは、鑑定依頼書(様式第13号)により公的機関に鑑定を依頼することができる。
(原因の判定)
第21条 火災原因の判定は、火災の実況見分、質問、その他の関係資料等を総合的に検討し、判定するものとし、物的調査及び人的調査による資料により裏付けるものとする。
(火災損害調査)
第23条 火災損害調査は、り災物件を詳細に調査し、損害の把握に努めなければならない。
(即報)
第24条 消防署長等は、火災の状況及び火災原因調査の結果についてその旨を消防長に即報しなければならない。
(調査記録)
第25条 調査員は、調査結果を火災調査報告書(様式第17号)により消防長に報告しなければならない。この場合、次の書類を添付するものとする。
(1) 火災調査報告書
(2) 現場付近案内図
(3) 火災原因判定書
(4) 実況見分調査書
(5) 火災出場時における見分調査書
(6) 鑑識見分調査書
(7) 質問調査書
(8) 火災現場写真及び復元図
(9) 建物損害調査書
(10) 損害物品調査書
(11) り災者・関係者表(1の火災で複数のり災者・関係者がいる場合)
(12) その他火災原因の判定、損害額の認定の根拠となった資料
2 前項の規定にかかわらず、火災の種別、規模により必要がないと認めるときは、調査書類の一部を省略することができる。
(報告)
第26条 消防署長等は、火災調査報告書を記録作成したときは、予防課を経由し、消防長に報告しなければならない。
2 前項の報告は、原則として火災を消防機関が覚知した日から起算して30日以内に報告するものとする。ただし、正当な理由がある場合はこの限りでない。
3 火災統計上の報告及び統計資料作成については、予防課において行うものとする。
(書類の保存)
第28条 調査書は、芳賀地区広域行政事務組合文書取扱規程(昭和49年訓令第2号)に基づき、保存するものとする。
(施行細則)
第29条 この規程の運用に必要な事項は、別に定めるところによる。
附則
この訓令は、平成16年6月1日から施行する。
附則(平成19年消本訓令第1号)
この訓令は、平成19年4月1日から適用する。
附則(平成19年消本訓令第5号)
この訓令は、平成19年4月1日から適用する。
附則(平成22年消本訓令第2号)
この訓令は、平成22年9月1日から施行する。
附則(平成28年消本訓令第1号)
この訓令は平成28年4月1日より施行する。
附則(令和元年消本訓令第1号)
(施行期日)
1 この訓令は、公布の日から施行する。
(経過措置)
2 この訓令の施行の際現にこの訓令による改正前の様式により作成された用紙は、当分の間、必要な箇所を修正して使用することができる。
附則(令和4年消本訓令第1号)
(施行期日)
1 この訓令は、公布の日から施行する。
(経過措置)
2 この訓令の施行の際、現にこの訓令による改正前の様式により作成された用紙は、当分の間、必要な箇所を修正して使用することができる。
附則(令和5年消本訓令第1号)
(施行期日)
1 この訓令は、令和5年4月1日から施行する。
(経過措置)
2 この訓令の施行の際、現にこの訓令による改正前の様式により作成された用紙は、当分の間、必要な箇所を修正して使用することができる。