救命のためにどのような行動が必要ですか?
①早い119番通報、②早い応急手当、③早い救急処置、④早い救命医療 この一連の流れが「救命連鎖」といい、円滑に進んだとき傷病者の救命が可能になります。
このうち、最初の2つは、まさに救急車が来るまでの間、現場に居合わせた人(バイスタンダー)が行なう内容です。大切な命のリレーをスタートさせてください。
口対口の人工呼吸を他人に実施することに抵抗があります。感染の可能性は?
口対口の人工呼吸によって感染が起こる可能性は非常に低いですが、結核、肝炎などの感染の報告例があることも事実です。
したがって、口対口の人工呼吸を行なうさいには、フェイスシールドなどの感染保護具を使用することが望ましいです。
感染保護具のない状況では、救助者個人の判断にゆだねますが、口対口の人工呼吸を行うことに躊躇する場合には、胸骨圧迫だけでも救命率は向上することから、実施することが強く推奨されています。
心肺蘇生法を必要とする傷病者に遭遇したとき、119番通報と心肺蘇生法はどちらが優先ですか?
救助者が1人の場合、成人と乳児・小児では、心肺蘇生法の手順が異なります。救助者が2人以上いる場合は、119番通報と心肺蘇生法とを並行して行ってください。

<救助者が1人の場合>
成人の心肺停止においては、不整脈など心臓が原因であることが多い。したがって速やかに電気的除細動をするためにも、まずは、119番通報してAEDを一刻も早く手配する。
一方、乳児・小児の心肺停止においては気道閉塞・呼吸障害などによる低酸素状態が原因であることが多い。したがって、低酸素状態の改善を真っ先に図る必要があり、最初の2分間の心肺蘇生法が優先される。

口対口の人工呼吸の前に深呼吸をするべきですか?
深呼吸を行う必要はありません。傷病者の胸がかるく上がる程度実施してください。
深呼吸後の呼気吹き込みは過剰な量の吹き込みにつながりやすいからです。また、深呼吸によって救助者が過換気症候群に類似した状態になるとの報告があります。
ペースメーカーを埋め込んである人にも心配蘇生法を実施してもよいですか?
そのまま放置しておけば当然死に至ることになるため、直ちに心肺蘇生法を実施してください。
胸骨圧迫(心臓マッサージ)にて胸骨が折れることはありますか?
胸骨以外の部分に指が触れないように注意して圧迫することが大切です。しかし、高齢者では、骨がもろくなっていて、必要な圧迫を行うと肋骨が折れる場合が少なくありません。
折れないように軽く圧迫しては何の意味もありませんから、必要な圧迫(胸が4~5cm程度沈むまで)を行って下さい。
心室細動(VF)とは?
心室細動とは、心室を構成する多数の心筋繊維が、無秩序に収縮・弛緩を繰り返すため、心臓全体としての組織的な収縮が起こらず、血液ポンプとしての機能も失われて心停止となった状態です。
AEDは、全ての心肺停止者に対して電気ショックをかけることができますか?
AEDは、心臓の波形を自動解析して判断する機能を持っており、電気ショックが必要な場合に限って行うことができます。AEDが電気ショックを不要と判断した場合は、心肺蘇生法を行ってください。
AED使用と心肺蘇生法はどちらが優先されるか?
市民がAEDを使用するタイミングは、「AEDが到着次第」です。心肺蘇生を開始する前にAEDが到着した場合でも、AEDの使用を優先します。ただし、救急隊など日常的に蘇生を行う者の場合は、心停止発生からの時間経過に応じて、AED使用よりも心肺蘇生を優先することがあります。
AEDは、何歳から使用できるか?
AEDは、1歳以上の小児から使用できます。AEDに小児用パッドが備わっている場合には、それを用いるが、小児用パッドが備わっていない場合には、成人用パッドで代用してください。
AEDの電圧・電流は、どの程度か?
AEDのエネルギーの単位はジュール(J)であり、電圧、電流とは次の関係があります。J(ジュール)=電力(W)×時間(秒) 電力(W)=電流(A)×電圧(V)電気ショックに使用される電圧は、1200V~2000V程度、電流は、30A~50A程度です。
勘違い等により間違った応急手当をしたら訴えられることはありますか?
善意で実施した応急手当に関し、故意または重大な過失がない限り訴えられることはないと考えられます。
歯が損傷した場合は?
歯ぐきからの出血は、丸めた綿やティッシュペーパーなどで圧迫して、止血を試みてください。抜け落ちた場合、抜けた歯は歯ぐきに戻さず牛乳に入れて、ただちに歯科を受診してください。抜けた歯を持つときには、付け根の部分に触れないようにしてください。
毒ヘビに手足を咬まれた場合は?
咬まれた手足を曲げたり伸ばしたりしてしまうと、毒の吸収が早まります。咬まれた手足を安静に保って速やかに医療機関を受診してください。傷口から毒を吸い出すことは推奨されません。
毒物を飲んだ場合はどうすればよいのか?
水や牛乳を飲ませたり、吐かせることはせずに、最初に119番通報し、支持を仰いでください。この場合、飲んだ毒物の確保を行い、飲んだ時刻、毒物の種類、その量についての情報があれば提供してください。
救急車で、傷病者の家族が乗った車を先導することはできますか?
救急隊は、警察機関ではないためそのような権限はありません。家族の方の気持ちもわかりますが、救急車に同乗できない場合は、交通事故防止のためにも、後から医療機関に来ることもやむ得ないことをご理解願います。
救急車は、どれくらい遠くまで搬送してくれるのですか?
緊急性のある救急業務であり、傷病者のためにも、その症状等に対応でき、事故等の現場から最も近くの病院へ搬送することとなります。
救急車は、医療機関で診察後、自宅まで送ってくれるのですか?
救急車は、皆さんで有効に利用していただくことが大切であり、医療機関に搬送し医師に引き継ぐと次の出動に備えなければなりません。したがって、個人の利益よりも公共の利益を優先するため、自宅まで送ることはできません。