○芳賀地区広域行政事務組合消防本部開発行為に係る消防施設等設置指導要綱
令和5年2月17日
告示第1号
芳賀地区広域行政事務組合消防本部開発行為に係る消防施設等設置指導要綱(平成22年告示第5号)の全部を改正する。
目次
第1章 総則(第1条―第6条)
第2章 消防水利(第7条―第13条)
第3章 進入路等(第14条・第15条)
第4章 申請(第16条―第18条)
第5章 検査(第19条―第23条)
第6章 雑則(第24条・第25条)
附則
第1章 総則
(目的)
第1条 この要綱は、真岡市、益子町、茂木町、市貝町及び芳賀町(以下「1市4町」という。)において、都市計画法(昭和43年法律第100号。以下「都計法」という。)第32条及び第34条の2の規定に基づき、開発行為を実施しようとする者(以下「開発行為者」という。)が、開発行為に関する消防水利施設等の設置に係る同意(協議)申請を提出した場合の事務処理を厳正的確かつ迅速に処理するために必要な事項を定めることを目的とする。
(用語の定義)
第2条 この要綱による用語の意義は、次の各号に定めるところによる。
(1) 開発行為 都計法第4条第12項に規定する行為をいう。
(2) 開発区域 開発行為をする土地の区域をいう。
(3) 消防水利施設 都計法第33条に基づき、栃木県開発許可事務の手引第5章第2節4に定める開発行為の技術基準に従い、設置する消火栓、防火水槽をいう。
(4) 既設消防水利 既設公設消火栓、既設公設防火水槽、既設消防水利施設をいう。
(5) 建築物 建築基準法(昭和25年法律第201号)第2条第1号に掲げるものをいう。
(6) 工作物 土地に設置した人工物で、建築物以外のものをいう。
(適用対象)
第3条 この要綱は、1市4町内において行われる開発行為に適用する。
(1) 都計法第29条第1項各号に掲げるもの
(2) 都計法第29条第2項各号に掲げるもの
(3) 市街化区域における1,000平方メートル未満の開発行為
(4) 都市計画区域における区域区分の定められていない3,000平方メートル未満の開発行為
(5) 準都市計画区域における3,000平方メートル未満の開発行為
(6) 準都市計画区域外における10,000平方メートル未満の開発行為
2 前項の協議において、開発面積が1,000平方メートル未満の開発行為については消防水利施設を要しない。ただし、消防長が必要と認める場合は、この限りではない。
(事前協議)
第5条 開発行為者から、事前に協議を求められた場合は、開発区域の消防水利施設について、消防法(昭和23年法律第186号。以下「法」という。)第20条第1項の規定に基づく消防水利の基準(昭和39年消防庁告示第7号。以下「水利の基準」という。)に適合させるため、次の各号について協議するものとする。
(1) 消防水利施設の要否
(2) 消防水利施設の種別及び数量
(3) 消防水利施設の設置場所
2 開発区域付近に水利の基準に適合する既設消防水利がある場合は、当該開発区域に係る消防水利施設については、緩和することができるものとする。
3 開発行為者は、1市4町に帰属されていない既設消防水利施設を利用して、水利の基準に適合させるときは、その管理者の承諾を得るものとする。
(消防同意)
第6条 開発行為者は、前条による承諾を得たのち、都計法第32条に基づき消防長の同意を得なければならない。
第2章 消防水利
(消防水利の基準)
第7条 消防水利施設は、水利の基準によるもののほか、開発区域の規模、地形及び予定建築物の用途を考慮して、適正に設置しなければならない。
(消防水利施設の種別)
第8条 消防水利施設は、原則として、水利の基準第3条の基準に適合する40立方メートル以上の防火水槽及び消火栓とする。ただし、将来にわたり常時支障なく使用できるプール、池、その他消防に供し得る水利で、維持管理に充分な安全性が確保される場合は、法第21条に規定する水利を含むものとする。
(消防水利施設の配置)
第9条 消防水利施設は、次の各号に従い配置するものとする。ただし、配置箇所に支障がある等、消防長が認める場合はこの限りではない。
(1) 消防水利施設の配置は、下表に掲げる数値を半径として開発区域全てを包含するように配置するものとする。
用途地域 | 消防水利施設からの半径 |
近隣商業地域・商業地域 工業地域・工業専用地域 これらに準ずる地域 | 100m |
その他の用途地域 これらに準ずる地域 | 120m |
指定のない地域 | 140m |
(2) 前号の消防水利施設を配置する場合において、既設消防水利の位置、種別及び設置数等を考慮して、消火栓のみに偏することのないよう配置するものとする。消火栓と防火水槽の比率は防火水槽を20パーセント以上とする。
(3) 鉄道、幹線道路、河川、擁壁、崖、建築物等によりホースを延長することが困難又は別図1のとおり分断される場合は、第1号の規定に係らず、有効な消防水利として取り扱わない。
(4) 消防水利施設と法第17条に基づき設置された消防の用に供する設備及び消防用水との併用は原則認めない。
(防火水槽の基準)
第10条 防火水槽の設置に関する技術上の基準は、次の各号のとおりとする。
(1) 防火水槽の有効水量(地盤面下に設ける場合にあっては、集水ピットの部分を除き地盤面の高さから4.5メートル以内の部分の水量とする。)は、40立方メートル以上とする。
(2) 防火水槽は、鉄筋コンクリート造で地上式の有蓋とし、耐震性能を有する二次製品(財団法人日本消防設備安全センターが認定した証票を添付)を可能な限り使用すること。
(3) 防火水槽の吸管投入口の位置は、消防車両が容易に部署でき、消防車両が部署できる位置から吸管投入口蓋中心までの距離が2.5メートル以内とする。また、消防車が容易に部署できる地盤面からの高さが0.5メートル以内とする。
(4) 吸管投入口の部材(マンホール)は、1市4町の指定するものとし、吸管投入孔を2箇所設けること。また、吸管投入孔の大きさは、その一辺が0.6メートル以上又は直径が0.6メートル以上であること。
(5) 防火水槽周辺の土砂等が、水槽内に容易に流入しない措置をとること。
(6) 吸管投入孔から水槽底に下りることができるよう、タラップ等を設置することとし、タラップ等の埋設部が漏水の原因とならない構造にすること。
(7) 集水ピットは吸管投入口の直下に設け有効水量の全てを有効に吸い上げる構造とし、深さは0.5メートル以上、一辺は0.6メートル以上又は直径が0.6メートル以上とすること。
(消火栓の基準)
第11条 消火栓の設置に関する技術上の基準は、次の各号のとおりとする。
(1) 消火栓は、原則として、地下式単口型とし呼称65の口径で補修弁付とする。
(2) 消火栓は、直径150ミリメートル以上の公設上水道管又は工業用水道管(以下「公設水道管」という。)に設置するものとする。ただし、管網の一辺が180メートル以下に配管されている場合にあっては、直径75ミリメートル以上の公設水道管に設置することができる。
(消防水利施設の位置)
第12条 消防水利施設の位置は、次の各号に掲げるものとする。
(1) 道路(原則として公道)又は道路に面した位置及び歩道上とし、消防車両が容易に接近し、部署でき、常に維持管理ができる場所であること。また、容易に接近することが困難な場合は、道路から2.5メートル以内であること。
(2) 幅員4メートル以上、勾配6パーセント以下の道路に接し、かつ交差点又は分岐点付近の消防活動に有効な地点であること。
(3) 付近建物の状況に応じ、消防活動に有効な地点であること。
(4) 消火栓は、歩道と車道の区別のある道路の場合は、原則として歩道上にあること。
2 前各号の場合において、やむを得ない理由があると消防長が認める場合は、この限りではない。
(消防水利施設の標識)
第13条 消防水利施設の標識は、次の各号、下表及び別図2の例によるほか、消防法施行規則(昭和36年自治省令第6号)第34条の2及び消防水利の標識について(昭和45年8月19日消防防第442号。都道府県消防主管部長あて消防庁防災救急課長通達)によるものとし、1市4町の仕様に基づき消防長と協議のうえ決定するものとする。
(1) 消防水利の標示は、消火栓にあっては、標識又は溶着塗装によるもの、防火水槽にあっては標識によるものとする。
(2) 標識による表示は支柱によるものとする。また、支柱の高さは180センチメートル以上とする。
(3) 支柱による標示の場合は、原則として、消火栓にあっては消火栓蓋の中心から概ね5メートル以内、防火水槽にあっては、吸管投入孔の中心線の中心点から概ね5メートル以内に標識を設置するものとする。ただし、5メートル以内に標識を設置することが困難な場合で、消防隊が容易に視認できる位置に標示する場合は、この限りでない。
(4) 支柱の掲出は、消防隊が容易に視認できる位置に標示する。
(5) 支柱の頭部には、雨水等の流入を防ぐため、支柱キャップをすること。
(6) 支柱の地際には、コンクリート等で耐食措置を施すこと。
水利所在標示の方法 | 詳細 | ||
標識による標示 | 防火水槽 | 支柱 | :歩道用 |
標識板 | :575型全面反射型 | ||
字 | :防火水槽又は防火水そう。 文字及び緑を白色、地を赤色とする。 | ||
消火栓 | 支柱 | :歩道用 | |
標識板 | :575型全面反射型 | ||
字 | :消火栓 文字及び縁を白色、地を赤色とする。 | ||
消火栓枠 | :周囲に幅0.15mで黄色の塗装を施すこと。 | ||
溶着塗装による標示 | 歩道上に設置されている場合は、コの字塗装とする。 歩道外に設置されている場合は、口の字塗装とする。 |
第3章 進入路等
(消防車両の進入路の基準)
第14条 道路及び敷地内通路(以下「道路等」という。)の基準は、はしご自動車の進入又は運行等が容易にできるよう次の各号のとおりとする。
(1) 道路等の周辺部分には、はしご自動車の進入又は運行等の障害となる門、塀、電柱等の障害要因が存在しないものであること。
(2) 道路等の有効幅員は4メートル以上であること。
(3) 道路等は、はしご自動車の総重量(20トン)が耐えられる構造でコンクリート舗装又はアスファルト舗装とすること。
(4) 道路等の屈折又は交差部分には、別図3のとおり幅員に応じたすみ切りを設けるものであること。
(5) 道路等の縦断勾配は、15パーセント以下とすること。
(6) 進入路の地盤面から高さ4メートル以内には、消防車両等の進入に支障となる工作物を設けないこと。
(消防活動用空地の確保)
第15条 開発行為者は、開発区域内に3階以上又は高さ9メートル以上の予定建築物がある場合は、はしご自動車の進入路及びはしごの伸ていの支障とならないよう消防活動空地を次の各号のとおり確保するように努めなければならない。
(1) 消防活動用空地は、幅6メートル以上、長さ12メートル以上を確保するとともに、建築物との距離は、3メートル以上5メートル以下とすること。
(2) 消防活動用空地の構造は、前条第5号を除く各号に準ずるものとする。
(3) 消防活動用空地の縦・横断勾配は、7パーセント以下とし、段差がないこと。
(4) 消防活動用空地の地下には、原則としてガス管・水道管等の工作物を埋設しないこと。
(5) 消防活動用空地の上空には、はしご自動車の操作の支障となる障害要因が存在しないこと。
(6) 消防活動用空地は、バルコニー側又は非常用進入口等の開口部に面した、消防活動が有効に行える位置とすること。
(7) 消防活動用空地には、当該空地である旨の標識を設けるとともに、別図4のとおり路面表示をすること。
第4章 申請
(協議申請)
第16条 開発行為者は、開発行為に係る事前協議申請書(様式第1号)に開発概要が把握できる必要図書を添付のうえ消防長と協議しなければならない。
(1) 開発区域付近の消防水利施設状況
(2) 新たに設置を必要とする消防水利施設の種別及び数
(3) 開発区域に通ずる既設道路状況
(4) 開発区域への取り付け道路の状況
(5) 開発区域内の道路幅員、隅切り、勾配の状況
(6) その他消防水利施設に係る必要な事項
(着工届出)
第18条 開発行為者は、開発区域に消防水利施設を設置しようとするときは、消防水利設置着工届出書(様式第3号)を消防長に提出するものとする。
第5章 検査
(中間検査)
第19条 開発行為者は、防火水槽を設置する場合には、配筋工事期間中、ベース筋、スラブ筋を配した時点で、中間検査を受けるものとする。ただし、耐震性構造の二次製品を用いる場合は基礎工事完了時点で中間検査を受けるものとする。
2 中間検査は、申請者立会いのうえ実施するものとする。
(完成検査)
第20条 開発行為者は、消防水利施設の設置が完成したときは、消防水利施設完成届出書(様式第4号)を消防長に提出するものとする。
2 消防長は、前項の届出書を受理したときは、完成検査を実施するものとする。
3 消防長は、完成検査の結果が基準に適合していると認めた場合、消防水利施設完成検査済証(様式第5号)を開発行為者に交付するものとする。
4 消防長は、消防水利施設設置の報告をその所在を管轄する市町の長へ消防水利施設完成通知書(様式第6号)により報告するものとする。
5 完成検査は主に次の各号に定める項目を検査する。
(1) 進入路は、消防車両等の進入に十分な幅員、勾配が確保されている。
(2) 進入路の地盤面から高さ4メートル以内には、消防車両等の進入に支障となる工作物を設けていないか。
(3) 水利が図面どおりの位置に設けられているか。
(4) 水利が仕様書どおりに作成されているか。
(5) 標識や溶着が指定どおりに設置されているか。
(6) ホース延長等、消防活動に支障となるものが付近に設置されていないか。
(外観検査)
第21条 消防水利施設完成届出書に基づく防火水槽の外観検査は、配筋のはみ出し、躯体亀裂、鉄蓋等を検査するものとし、消火栓については位置及び状態の良否を確認するものとする。
(水位チェック)
第22条 外観検査終了後の防火水槽は、水張りを行い漏水検査のための水位チェックを受けなければならない。
(漏水検査)
第23条 水位チェックは連続7日間行うものとし、減水量0.1立方メートル未満であれば基準に適合するものとする。
2 減水量が0.1立方メートル以上の場合は、修理を指示するものとし、必要な修理のうえ再検査を受けるものとする。
第6章 雑則
(管理・帰属)
第24条 都計法第39条及び第40条の規定における管理・帰属については、その開発区域を管轄する1市4町と協議するものとする。
(その他)
第25条 この要綱に定めるもののほか、必要な事項は消防長が別に定める。
附則
この要綱は、令和5年4月1日から施行する。
別図1
有効な水利としてみなさない例
軌道により寸断されている。 | 崖や傾斜の急な法面で寸断されている。 |
擁壁等により寸断されている。 | 幹線道路で寸断されている。 |
別図2
別図3
旋回走行軌跡図
シャシ:日野 2DG―PR1APJF
型式:MLLAH5―35WG
※最小回転半径:7.2メートル(セルフステア時)
A道路幅員 B道路幅員 | 4m | 5m | |
5m | C | 2.8m | 1.6m |
D | 4.3m | 3.3m | |
6m | C | 1.7m | 0.6m |
D | 1.7m | 0.7m |
別図4
〈標識〉
標識板 1 地色は赤色 2 文字は白色 |
〈表示〉