○芳賀地区広域行政事務組合消防本部通信規程
平成16年3月8日
消本訓令第4号
目次
第1章 総則(第1条・第2条)
第2章 通信指令の原則(第3条―第7条)
第3章 災害通報の覚知及び指令(第8条―第13条)
第4章 無線通信(第14条―第18条)
第5章 個人情報データ管理(第19条―第21条)
第6章 管理体制(第22条―第28条)
第7章 補則(第29条―第32条)
附則
第1章 総則
(趣旨)
第1条 この規程は、火災・救急・救助及びその他の災害(以下「災害等」という。)に対処し、消防業務を迅速かつ的確に処理するための、消防通信の運用及び管理について必要な事項を定めるものとする。
(1) 通信指令室とは、消防本部において、通信設備を使用して消防通信を統括する室をいう。
(2) 通信設備とは、別表第1に掲げる設備及びこれらの附属設備をいう。
(3) 通信指令係とは、通信責任者の命を受け、通信設備の管理運用及び消防通信に係る業務に従事する職員をいう。
(4) 消防通信とは、災害通報、指令通信、現場報告、応援要請、支援情報通信、業務通報その他消防業務に関する通信を総称していう。
(5) 災害通報とは、災害が発生し、又は発生するおそれがあると認められる場合において、119番通報その他の手段により通報される通報をいう。
(6) 指令通信とは、通信指令室から消防隊、指揮隊、救急隊及び救助隊(以下「消防隊等」という。)の出動及び隊運用に関して指示命令を発する通信をいう。
(7) 無線局とは、電波法(昭和25年法律第131号)第2条第5号に規定するものをいう。
(8) 無線従事者とは、電波法第40条第1項第1号から第4号までに定める資格を有する者で、無線設備の操作に従事するものをいう。
第2章 通信指令の原則
(時刻の表示)
第3条 消防通信に使用する時刻の表示は、24時間制により行うものとし、毎日1回以上日本標準時に照合しなければならない。
(通信の優先順位)
第4条 消防通信の優先順位は、災害に係る緊急かつ重要な通信を優先し、原則として次に定める順位によるものとする。
(1) 災害通報の受理
(2) 指令通信
(3) 現場報告
(4) 支援情報通信
(5) その他緊急を要する通信
(6) 一般業務通信
(指令の原則)
第5条 出動指令は、原則として自動出動指定装置による消防隊等の自動編成によるものとし、覚知又は災害通報を受理した順に行うものとする。
(出動指令の例外)
第6条 自動出動指定装置及び専用回線を使用しないときの出動指令は、次に定めるとおりとする。
(1) 自動出動指定装置を使用しないときは、手動一斉出動信号により出動署を読み上げるものとする。
(2) 専用回線を使用しないときは、卓上型可搬無線装置による一斉出動信号により出動署を読み上げるものとする。
(通信指令係の遵守事項)
第7条 通信指令係は、通信設備の操作に精通し、常に冷静な判断と的確な操作ができるよう努めるとともに、次に掲げる事項を遵守しなければならない。
(1) 通信設備を災害活動及び消防業務以外の用に使用してはならない。
(2) 業務中に知り得た情報及び秘密を漏らしてはならない。
(3) 通信は簡潔明瞭に行う。
第3章 災害通報の覚知及び指令
(災害通報の覚知)
第8条 通信指令係は、災害通報を覚知したときは、災害の種別、場所、規模、傷病者の状況その他必要な事項を、迅速かつ的確に把握し、災害活動に必要な指令、通信の統制及び制限並びに情報の収集又は伝達を行い、災害活動の効果を上げるよう努めなければならない。
2 通信指令係は、災害通報を覚知したときは直ちにその状況を指令するとともに通報内容、時間等を記録しなければならない。
3 通信指令係は、災害に関する情報を収集したときは、消防隊へ指令するとともに関係機関に通報しなければならない。
4 通信指令係は、災害活動に関する消防隊等との交信内容及びその他の必要事項を記録しなければならない。
5 消防隊等の動態及び現在地を常に把握しておかなければならない。
(災害通報の報告)
第9条 各署において災害を覚知したときは、直ちに通信指令室に通報しなければならない。
(予告指令)
第10条 通信指令係は、災害通報の覚知時において、災害種別が決定したときは、消防隊等の出動予告に関する指令を行うものとする。
(出動隊の編成)
第11条 通信指令係は、災害通報を覚知したときは、別に定める芳賀地区広域行政事務組合消防本部火災等出動計画(平成18年)に基づき、原則として災害現場より近い隊から出動編成を行う。
(出動指令)
第12条 通信指令係は、前条の規定により出動隊編成が完了したときは、直ちに消防隊等の出動に関する指令を行わなければならない。
(指令装置の操作)
第13条 通信指令係は、次に掲げるところにより指令装置の操作を行うものとする。
(1) 災害通報の着信応答は、迅速かつ的確に行わなければならない。
(2) 消防通報用電話の着信応答時に必要があると認めたときは、発信地照会を行い、通報場所の確認を行うものとする。
(3) 消防通報用電話で通報が途切れたとき又は通報内容が不明なときは、着信回線の呼び返し又は保留操作を行い、通報内容を確認しなければならない。
(4) 対応は迅速に行うとともに録音操作をし、別に定めるところにより記録を保存しなければならない。
第4章 無線通信
(無線運用の原則)
第15条 無線局の運用は、次に掲げるところにより行うものとする。
(1) 無線局は最良の状態に調整し、他局が交信中でないことを確かめてから通話しなければならない。
(2) 移動局は、基地局から発信停止の指示があったときは、直ちに発信を中止しなければならない。
(3) 移動局は、基地局の指示があるまでは、あらかじめ指定してある主波を変えてはならない。
(4) 移動局のうち、卓上型可搬無線装置は、非常時において搬送使用できる状態とし、固定型外部空中線については、基地局が使用できない等の非常時に使用する。
(5) 基地局等は、常に移動局等の通信状況を監視し、適正な無線運用を行わなければならない。
(6) 開局中の無線局は、常に通信状況を聴取し呼出しに即応しなければならない。
(無線局の開局及び閉局)
第16条 無線局の開局及び閉局は、次に掲げるところにより行うものとする。
(1) 基地局及び固定局は、常時開局しておかなければならない。
(2) 移動局は、出動するときに開局し、帰署したときは閉局しなければならない。なお、開局、閉局及び動態の変更時に、車両運用端末装置を操作し、車両の動態を通信指令室に送信しなければならない。
(3) 移動局の無線従事者は、一時閉局するときは連絡方法を明らかにしなければならない。携帯局を移動局の代替として開局するときは、その旨を通信指令室に報告するとともに通信の状態を確認しなければならない。
(4) 各署の指令情報出力装置等に異常又は故障等が発生し、指令等の連絡が途絶のおそれがあるときは、移動局を直ちに開局すること。
(無線局の統制)
第17条 通信指令課長は、無線通信の円滑な運用を期するため、無線局の通信状況を監視し、必要があると認めるときは、運用に支障を来さないよう無線統制しなければならない。
(試験電波の発射)
第18条 無線局の試験電波の発射は、次に掲げるところにより行うものとする。
(1) 移動局の試験電波の発射は、基地局の統制のもとに毎日定時に実施するものとする。
(2) 機能調整のため、基地局が試験電波の発射を行うときは、事前に開局している移動局にその旨を連絡し、移動局相互間でこれを行うときは、基地局の承認を得なければならない。
(3) 無線局の感明度区分は、別表第4によるものとする。
第5章 個人情報データ管理
(個人情報データの管理者)
第19条 通信設備の運用における住民等に係る個人情報のデータ(以下「個人情報データ」という。)の保全及び保護について、適正な管理を行うため、個人情報データ管理者を置く。
2 個人情報データ管理者は、通信指令課長をもって充てる。
(個人情報データの管理)
第20条 個人情報データ管理者は、個人情報データの管理状況及びこれらに関する設備の状況について常に把握し、個人情報データが適正に管理されるように努めなければならない。
2 個人情報データ管理者は、個人情報データ滅失及びき損並びに漏えいを防止するために必要な措置を講じなければならない。
3 個人情報データ管理者は、個人情報データのファイル、出力帳票等を次に掲げる方法により適正に管理しなければならない。
(1) 施錠ができる書庫に保管する等の措置をとること。
(2) 廃棄するときは、焼却、破壊、裁断等の復元できない方法により確実に処分すること。
(データの入力、変更等の作業を行う者)
第21条 通信設備の運用に必要なデータの入力、変更等の作業を行う者(以下「作業者」という。)は、次のとおりとする。
(1) 個人情報データにあっては、通信指令係の中からあらかじめ個人情報データ管理者が指定する職員
(2) その他のデータにあっては、データの区分に応じ当該データに係る事務を所管する署等の職員で、あらかじめ所属長が指定し、個人データ管理者が承認した職員
2 作業者は、データの保全及び保護に常に留意しなければならない。
第6章 管理体制
(通信設備管理者)
第22条 通信設備の管理、監督を行うため通信設備管理者を置く。
2 通信設備管理者は、通信指令課長をもって充てる。
(通信指令課長の責務)
第23条 通信指令課長は、電気通信事業法(昭和59年12月25日法律第86号)及び電波法の定めるところにより、通信設備等の設置、変更及び移設等の運営事務を処理するほか、次に掲げる事項について管理をしなければならない。
(1) 電気通信事業法及び電波法の規定に基づく監督
(2) 通信及び通信設備の障害の監視
(3) 通信設備等の保全計画の策定及びこれに基づく障害の未然防止並びに改善、研究、保守点検整備等
(4) 無線従事者に対する消防通信の運営に関する指導及び研修
(5) 関係書類の管理と記録の保存
(6) 通信指令室の入退室管理
(7) 前各号に掲げるもののほか、通信の運用に必要な事項
(通信責任者の責務)
第24条 通信責任者は通信指令課長補佐及び通信指令係長をもって充てる。
2 通信責任者は、通信指令課長の命を受け、通信設備の管理運用及び消防通信に係る業務を統括し、通信指令員を指揮監督する。
3 通信指令課長が不在のときは、通信責任者がその職務を代行する。
(点検及び整備保全)
第25条 通信設備の点検及び整備保全は、次の区分により実施しなければならない。
(1) 交代時点検 交代時に各課、署及び分署の設備について、各々点検を行う。
(2) 定期点検 通信設備は年2回の頻度で、委託業者により行う。点検時には、通信責任者又は係員が立ち会い、点検を監督するものとする。
(3) 臨時点検
ア 震度4以上の地震が発生したとき。
イ 落雷その他自然災害が発生したとき。
ウ その他通信指令課長が必要と認めたとき。
(故障等の報告と措置)
第26条 通信指令課長は、通信設備に故障、障害が発生したとき又は発生のおそれがある場合は、応急措置を取るとともに、消防長に報告しなければならない。
2 通信指令課長は、通信設備の一部又は全部が使用不能となった場合に備え、対応措置を定めておかなければならない。
3 通信指令課長は、指令装置が故障又は障害等により消防用通報電話を受信できなくなった場合は、119補助受付装置により受報体制を確保するものとする。
(無線従事者の選任又は解任)
第27条 通信指令課長は、無線従事者に変更が生じたときは、電波法第51条の規定により選任又は解任の手続を行わなければならない。
(無線従事者の任務)
第28条 無線従事者は、常に無線通信に関する知識及び技能の向上に努めるとともに、無線装置の適正かつ効率的な運用を図るものとする。
2 無線従事者は、自局に対する通信の妨害又は違法な通信を認めたときは、必要な処置を講ずるとともに、直ちに通信指令課長に報告しなければならない。
第7章 補則
(業務書類等)
第29条 通信指令室には、通信設備に関する台帳及び電波法に定められた業務書類等を備えておかなければならない。
(記録の保存及び報告)
第30条 通信指令課長は、通信事務を処理するため、通信記録を保存し、必要に応じて消防長に報告しなければならない。
(研修及び訓練)
第31条 通信指令課長は、通信指令課職員又は係員に対し、通信設備の管理及び運用上必要な知識及び技能について、研修計画に基づき年1回以上研修訓練を行うものとする。
(補則)
第32条 この規程に定めるもののほか、必要な事項は、消防長が別に定める。
附則
この訓令は、平成16年4月1日から施行する。
附則(平成27年消本訓令第1号)
この訓令は、平成27年4月1日から施行する。
附則(平成28年消本訓令第2号)
この訓令は、平成28年6月1日から施行する。
附則(令和2年消本訓令第1号)
この訓令は、令和2年3月12日から施行する。
別表第1(第2条関係)
設備名 | |
指令装置(自動出動指定装置、非常用指令設備等) | 119補助受付装置 |
表示盤 | 電源設備 |
無線設備(卓上型可搬無線装置等) | 統合型位置情報通知装置 |
指令情報伝送装置(指令情報出力装置等) | NET119システム |
気象情報収集装置 | 統合遠隔制御装置 |
災害状況等自動案内装置 | 移動系防災行政無線システム連携装置 |
Eメール指令装置 | 災害時オペレーションシステム |
出場車両運用管理装置(車両運用端末装置等) | 消防署見学対応装置 |
音声合成装置 | 庁内放送設備 |
別表第2
種別 | 呼出名称 | 内容 |
基地局 | はがしょうぼう | 消防本部に設置した無線局 |
はがしょうぼうもてぎ | 茂木町町田に設置した無線局 | |
車載型移動局 | (消防車)署名+車種名+(車両番号) | 消防自動車に設置した無線局 |
(救急車)署名+きゅうきゅう+(車両番号) | 救急自動車に設置した無線局 | |
(連絡車)署名+車種名+(車両番号) | 連絡自動車に設置した無線局 | |
可搬型移動局 | (消防車)署名+車種名+機種番号+0+無線機番号 | 消防自動車に搭載した無線局 |
卓上型固定移動局 | 本部・署名+機種番号+0+無線機番号 | 消防本部、各署に設置した無線局 |
携帯型移動局 | 署名+搭載車種名+機種番号+0+無線機番号 | 消防救急隊員が携帯して通信を行う無線局 |
署活動用無線局 | 署名+搭載車種名+機種番号+0+無線機番号 | 消防救急隊員が携帯して通信を行う無線局 |
固定局 | しょうぼうはがもおか | 消防本部に設置した簡易多重無線局 |
しょうぼうはがもてぎ | 茂木町町田に設置した簡易多重無線局 |
別表第3
無線局の指定周波数区分表
種別 | 周波数(MHZ) | 主として使用する地域・消防機関 | ||
下り(FH) | 上り(FL) | |||
消防救急波 | 活動波1 | 関東総合通信局の指定による | 芳賀郡内、真岡市内及びその周辺 芳賀地区広域行政事務組合消防本部、真岡消防署及び各分署(真岡西、二宮、益子、茂木、市貝、芳賀) | |
活動波2 | ||||
共通波 | 主運用波 | 県内共通波、県内全域(栃木県内に属する消防機関相互が応援活動に使用 | ||
統制波1 | 栃木県を超えて消防機関 相互の応援活動を行う場合において、各消防機関 相互の通信統制を行うために使用 全国共通波 | |||
統制波2 | ||||
統制波3 | ||||
署活動波 | 活動波1 | 芳賀郡内、真岡市内及びその周辺 芳賀地区広域行政事務組合消防本部、真岡消防署及び各分署(真岡西、二宮、益子、茂木、市貝、芳賀) | ||
活動波2 | ||||
関東共通波 |
別表第4(第18条関係)
無線局の感明度区分表
感明度 (メリット) | 受信状況 |
5 | 非常に明瞭に聞き取れる |
4 | 歪みが多少あるが、明瞭に聞き取れる |
3 | 音声が若干断続するが、通話内容は十分聞き取れる |
2 | 音声が断続し通話内容があまり聞き取れない |
1 | 通話内容がほとんど聞き取れない |
備考 |
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